犬が病気であると知りながら、申込書に「病気なし」とウソの記載を
した上で保険に加入させ、保険への加入が承認された後に病気の
診断・手術をしたように見せかけて、保険金をだまし取ったとされる
一件です。
私は11月20日の朝、ネットニュースで第一報を知りました。
その時は、まだ実名は出ていませんでしたが、その日の午後から
病院名や名前が公表され、翌日からはワイドショーなどでも
取り上げられる事態となりました。

逮捕された彼とは、勉強会で何度か顔を合わせたことがあります。
整形外科が得意で、紹介される難しい手術を引き受けたりしている
とも聞いていました。
真面目に診療をしていると思っていた、その彼が・・・なぜ詐欺を? 
という疑問は拭い切れません。

私たち獣医師の仕事には、確かな知識と技術に加えて、
順法精神や高い倫理観が求められます。
飼い主さんに対して虚偽申請をするように誘導し、保険会社から
保険金を搾取するように指南したとしたら、これは、許されることでは
ありません。
また、今回の件では、『脱臼の整復手術』という表記がよく出て
きますが、それで30万円とか40万円とか請求するというのも、
かなり強引な感じです。
整形外科の専門病院ならともかく、一般の病院ではちょっと考え
られない金額です。

『この仕事に就いたのは、お金のためじゃないでしょ? 
初心を思い出しましょうよ。』
もし彼に会うことがあったら、そんな言葉をかけたいと思っています。

西向日どうぶつ病院